富山県美術館で

NEW

あまりゆっくり見たことのなかった富山県美術館をゆっくり見てきました。

1階ギャラリーでは浅田さんの写真展。素敵な写真がたくさん並んでいました。

総曲輪のチェリオ。この写真がなんだか良かったな

2階へ昇ると企画展では日本画の特集。この美術館に日本画がこんなにたくさんあったことに驚かされましたが、既存の古びた収蔵品でも新しい切り口の物語で捉え直してみると、まったく違う印象になりますね。いい企画だと思います。

同じフロアには、世界中から応募してきた国際工芸アワードの作品がめじろおし。金沢に新しく国立工芸館ができましたが、富山でも呉西を中心に工芸を頑張っていて数々のカテゴリそれぞれに古い歴史があります。こうした国際的な工芸イベントを仕掛けたのも常に改善を求める富山ならではかもしれませんね。

3階では、珍しい椅子の展示の奥の部屋に、じつは富山らしい展示品が並んでいます。一つはシュールレアリスムの瀧口修造の部屋にあった品々。農村真っ只中の寒江村から出た瀧口の現実を超えた世界を求めてやまない心意気が、あまりにも富山の風土にぴったりだと感じてしまうのは僕だけでしょうか。

その次の間には、音楽家のシモン・ゴールドベルクの遺品類。世界大戦中に迫害を受けた名バイオリニストが選んだのは立山の地でした。晩年を立山国際ホテルで過ごし残された遺品類を山根美代子夫人が美術館に寄贈されたものです。

何度も来てるけど、ゆっくり時間をかけて歩くと、一足違う味わいが生まれますね。次の企画展は印象派とか。楽しみです。

コメント