友達がよく読むと言っていた林真理子さん。僕は読んだことがなかったので、おもろそうなヤツを選んでみました。一気に読ませる滑らかさと女性作家ならではのディテール描写が見事です。
下流の宴。ん?下流ってなんだろ?
そんなwhyがテーマになっていて、2011年にはNHKでドラマ化されたようですね。黒木瞳さんが良家の母親役だったよう。
太宰治の「斜陽」に似た過去の栄光に縛られるファミリーと、頑張り屋さんの沖縄人との対比が鮮やかに描かれています。
この本の中盤になんと、富山人が出てきました。脇役でチョイ出だけど、図書館で頑張り屋の主人公の珠緒を導く老人役として現れます。一般に物語にはよく出てくる「先導者」のイメージ人物で、それが富山人だということが僕にとって一番の驚きでした。
富山はイメージ良くないことも多いけど、人の魅力あるよなぁ、詳しく話さないところが文学的な要素あるよなぁ…なんて林真理子さんが感じてくれているなら嬉しいです。
そもそも文学は、社会の光よりも影を描くことで人間の本質に迫ることを得意としているので、富山人のすぐには本性を見せない味わい深さが分かる人には伝わるのかも。文人がおわら風の盆をどんどん好きになっていくのとよく似てますね。分かる人には分かるんだな〜。
いつもはうまく話せない富山人ですが、他県の人もハマれば大好きになる人が多いです。スルメイカみたいやなぁ。富山人は無理に飾らんでもええがやぜ〜、と感じました。
コメント