辺見じゅんさんのこと

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旧知事公館のあとに高志の国文学館ができて、館長に中西進さんが就任され、文学の裾野を広げる活動が展開されています。

そのことに関連した話として、実は、館長には辺見じゅんさんがなるはずだったのをご存知でしょうか。館長に内定した後、2011年9月に早すぎる死を迎えられました。享年72歳でした。その後、館長に京都から中西進さんをお招きして現在に至っています。

辺見さんは水橋出身で父は角川書店創設者の源義さん。今日は辺見さんの本を初めて読んでみました。とても優しい言葉が選んであって、大いなる母親のような柔らかい感性と詩人らしい本質を見極める鋭さが両立してますね。なおかつ一切の無駄が省かれつつ適度な間が落ち着きをもたらし、ひとつの言葉に幾つもの想いが凝縮されて繋がっているように感じました。

詩人の感性ってやっぱすごいね。それにしても、詩を書くように散文を書けるのは、生まれながらの能力なのか、はたまた努力の積み重ねなのか…。

僕も俳句と短編をかじっているのですが、言葉で表現する点は同じでも、意識の持ち方はまったく異なることを失敗を重ねるごとに学びました。詩歌のほうが深く潜らないと伝えたいことに辿りつかないようで、より難しいと感じますが、他の方はどーなのかな? そんな風に思っているなかに、辺見さんの詩的な散文が肩肘はらずにスーッと簡単な顔をして入ってきたので、最初はなんとも気持ちが落ち着いてスッキリしたのですが、書くように考えながら読むと、とんでもないすごいことだと気づかされます。

と、いろいろ感じながら、いつの間にか辺見さんの「男たちの大和」をポチッとAmazon注文しました。久しぶりに深く知りたい方にお会いしました。

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