富山から長岡を垣間見る

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長岡といえば……。

富山人にとって新潟・中越地方の長岡といえば、「車で東京行くときに上信越道できる前は長岡JCT経由で関越道だった」とか、「電車で行く時も長岡で新潟から来た新幹線に乗り換えとった」とか、名前は知ってるものの、物理的にも心理的にもかなり遠い地域だと思います。

今でもそれはたいして変わらないと思うけど、たまたま手に取った地域振興系のbookが、長岡人のイケイケ話を集めたもので、当地のイメージをかなり変えることになりました。

僕の好きな司馬遼太郎さんの描いた「峠」には、長岡の戊辰戦争やその後の歴史に偉大な足跡を残した河井継之助の半生が描かれていて、こういう「人のスジ」を通す人が生まれてくる風土というのはどういうものだろうと、東京へ向かう車窓から田んぼや山ばかりの中越の風景を見ていたように思い出します。

それはさておき、こんなハイレベル本は富山では見たことないし、今でもとても作れないと思います。その地域力に嫉妬するというか、数十人の人が個性的な思いおもいの長岡の将来のカタチを自由に話しています。

富山人も話はするけど、多様な人が語る内容の多さや厚みや、それでもテーマにちゃんとピントがあっていることなど、フリートークのわりに、とてもまとまったつくりです。

しがらみを抜けて、富山人もいつかこんな自由にビビッとくる話を重ねられるんだろうか。胃の中の蛙🐸はいつまでたっても大海を知らないんだろうかと、悔しい思いにまで嫉妬が発展しました。それほど、長岡の人達の地域を思って語るコミュニケーション力に感動しました。

富山人は閉鎖的で口下手だと言われるけど、価値観の違ういろんな話を見聞きしていくのが大切だと、富山人の課題を痛感した地域振興本でした。

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