雨のことば

NEW

わが家には雨傘が20本くらいあります。僕自身は1-2本ですが、5人家族の我が家は女性が多く、どうも女の人はたくさん持ちたがるようですね。日傘も合わせるとさらに多くなります。

昨日、北陸地方が梅雨入りしました。例年より遅いのでいつもと違う時期の山行を楽しめましたが、いよいよ本格的な雨の季節の到来です。すこし景色がブルーになるのは、たぶん僕だけではないですよね。

調べてみると日本の年間平均降水量1800ミリは世界平均の約2倍もあるとか。日本の上空には「空の水道」が集中していて、台風・梅雨・秋雨・低気圧・雷雲・雪雲などの行列ともいえるようです。

古来、日本人の暮らしと雨との関係は深く、米作りには夏の高温と潤沢な雨水は必要不可欠な要素です。雨の多い日本の中でも、特に多い北陸地方がコメどころなのは地理的な必然性があります。

でも、いいことばかりではありません。雨は潤沢な水で田畑を潤す一方で、ときに氾濫を起こしてその地に暮らす人々を悩ませてきました。こうした哀しみを繰り返しながら雨とともに暮らしてきたのがTOYAMA人です。

それにしても日本には雨のことばがとても多いですね。どうも米作地域の中国の江南地方も雨のことばが多いようですが、日本文化に沁み入った雨ことばは辞典にもなるぐらい沢山あります。詩歌にも多く取り入れられ、日本の風土のイメージを瑞々しい湿潤なものに作り上げてきました。

晴耕雨読と言いますが、敬遠するばかりの陰鬱な雨のことを、光や影の織りなす歴史の一断面とみて、いつもと少し違うふうに見てみるのもいいかもしれません。

コメント